キャンピングカーが欲しい病にかかってしまい、寝ても覚めてもキャンピングカーの事ばかり考えてしまいます。
新車中古車をネットで調べてはこれなら買えそうかな?
バンコンがいいかな?
キャブコンがいいかな?
それともトレーラーがいいかな?
でもトレーラーだと牽引する車を買い替えないとパワーが足りないかな?
と妄想は止まることなく膨らみ続けます。
買って実際に使ってるときよりこの妄想期間の方が実は楽しかったりしますね。
キャンピングカー欲しい病にかかってはいるものの皆さんご存知かと思われますがキャンピングカーはかなり高価なモノです。
いきなりキャンピングカー購入に踏み切れるほど我が家は裕福ではありません。
ではこのキャンピングカー欲しい病を治めるにはどうすればよいのでしょうか?
キャンピングカーが高くて買えない?逆に考えるんだ「借りちゃえばいいさ」って考えるんだ
というわけで、近隣のキャンピングカー店からレンタルして約2日間使用した感想を備忘録として残します。
レンタカー紹介
レンタルしたのはこれ↓ジル520 8人乗り 2.5ディーゼル 4WD
画像は「カスタムワールド ハタナカ」より借用
装備:カーナビ、ETC、TV、DVDプレーヤー、冷蔵庫、電子レンジ、2口ガスコンロ、換気扇、FFヒーター、サイドオーニング、※シャワー、トイレは使用不可
困ったこと辛かったこと
・運転席が狭い
トラックなんで車内は広いイメージでしたが、運転席は狭いです。
特に足元が狭く、靴の脱ぎ履きがしづらいのにすごく困りました。
さらに運転席⇔居住区内の移動が結構大変です。
車内でくつろいでいていざ出発するときにもいったん外に出てから運転席に移動しなければいけません。
移れなくはないのですが、今度は足元が狭くて靴が履けない。
サンダルならそれほど問題ないかと思いますが、初めてのキャンピングカーしかも長距離移動となると靴の方が安全です。
本来ならキャンピングカーでそれほど頻回に運転席と居住区内を行き来することはないのかもしれません。
目的地に到着したら運転席に行くことがほとんどなくなるからです。
初見だったことと今回の旅行は移動が多かったことが余計に不便さを感じさせたのではないかと思います。
・揺れる
車体が大きいので小さな段差やゆるやかなカーブでもかなり揺れます。
運転してると感じにくいですが後ろに乗っている人はかなり怖かったようです。
子供たちにキャーキャー言われないよう乗用車以上に気を使い運転する必要があります。
ブレーキの利きは普通ですが、やはり怖いのでスピードは出せません。
のんびり運転なんで道路のデコボコを避けたり、鋭角に曲がるとき特にスピードを落として曲がったりするのは次第に慣れました。
一番揺れの恐怖を感じたのは横風です。
高速道路で大型トラックが隣を追い越していくときの横風はかなりハンドルを取られるので気が抜けません。
今回の旅行では台風に向かって移動する形になったので初日はかなり雨風が強く高速道路も60キロ規制がかかっていました。
橋のワイヤーがハープみたいになびいているところにキャンピングカーの巨体が走ると冷や汗かくくらいハンドルを持っていかれます。
怖すぎて逆に笑えてきます。
夫婦で嵐の車内で不気味に笑っていましたが子供たちは無反応でした。
速度計を見ると50キロ切っていました。
追い越し車線を走っていく車を横目で見つつ、普段乗っている乗用車がいかに快適だったかを実感させられました。
キャンピングカーに問題があったわけではなく、あえて台風の時を選んだ自分が悪いのですが、あの風の中で橋を渡ったときの恐怖はトラウマになりそうです。
・鍵が多すぎる
エンジンをかける鍵以外にキャンピングカーは多くのカギがあります。
プロパンガス格納場所、給油口、収納、居住区の出入り口など全部違うカギを使用します。
ショップの店員に「昔のキャンピングカーより少なくなった」と言われましたが、それでも10本近くあります。
鍵なんてどれも似たような形をしているので、一回の説明で覚えられるはずがありません。
いざ開け閉めするときになって改めて「どのカギだったかな?」となるわけです。
せめて2、3本くらいにまとめてもらいたいものです。
鍵が多すぎることから給油の際には給油口を隠している扉を開け、次に給油口を開ける必要があるので初めて給油したときは店員さんと一緒にどれかな?と探す場面がありました。
一番困ったのは居住区の出入り口の鍵が見つからなかったことです。
鍵自体の数が多かったことと、居住区出入り口にそれらしい鍵穴が2か所もあったことが混乱の原因でした。
そもそも最初の説明にもなかったので帰ったら文句の一つでも言いたい気分です。
出入り口の鍵を探し当てるまで中から閉めて運転席から出るというかなり面倒くさいことになっていたことが、余計に最初に挙げた”運転席へのアクセスが悪い”と感じることに繋がっていきます。
・駐車には神経を使う
車体が大きいので取り回しに苦労しました。
予想できる問題でしたのでできるだけ狭い駐車場は避けていましたが、コンビニや温泉、飲食店、道の駅などやむを得えず駐車しなければならない時は仕方なく停めていました。
バックモニターが付いていてサイドミラーも大きいので見やすいですが、できればバックしないに越したことはないと思います。
上手な人はいいかもしれませんが運転が得意でない人にとってはストレス以外の何ものでもありません。
キャンピングカー観光を楽しみに来たのにストレスを感じてしまっては本末転倒です。
かといって目的地に遠すぎると子供が小さいうちは徒歩移動が大変です。
そもそも駐車場が一杯の時は遠かろうと近かろうと探さないといけませんし、見つかれば多少狭くとも止めざるを終えません。
なにより辛いのは慣れない運転で何度も切り返した結果、周りの「早くしろよ」的な冷たい目線を感じながら駐車することです。
今回の旅行ではクラクションこそ鳴らされませんでしたが、何度も渋滞の原因になってしまったことは辛い思い出です。
・夏の夜の寝苦しさ
キャンピングカーを借りたのが7月下旬の夏真っ盛りの暑い時期です。
海沿いが目的地でしたがそれほど風が通るわけではないので夜は暑くとても寝苦しい思いをしました。
窓を全開にしていましたが、一番大きな開口部の居住区への出入り口は防犯のため閉めていたので余計に暑苦しさがありました。
換気扇を回して外気を車内に入れていましたが気休め程度の効果しかありません。
暑さで子供が寝付かないと親である私たちも寝ることはできません。
涼しくなる深夜までグズグズして翌日寝不足だったことは運転手にとってかなりしんどい事でした。
寝不足でイライラしてしまうと、心に余裕がなくなり妻や子供に対して嫌な思いをさせてしまったと思います。
キャンピングカー初心者のうちはゆとりある旅行計画を立てること、拠点をあちこち変えないことなど運転に関するストレスを出来るだけ少なくすることが大切だと分かりました。
・サブバッテリー切れによる不自由
レンタルした初日の夜、あまりの暑さに換気扇を一晩中回しっぱなしにしていました。
そのせいかどうか分かりませんが、次の日の午前中にテレビが付かない携帯が充電できない状態になってしまいました。
サブバッテリーがどれくらいの容量があって、電化製品の使用限界を確認しなかったこともありバッテリーが切れてしまったようです。
走行中に充電されると聞いていたのでそのうち使えるようになるだろうと思っていましたが、以後使えるようになる気配は全くなく結局最後まで使用することはできませんでした。
移動中の暇つぶしにDVDを持参してきたのですが意味がなかったです。
携帯も充電できないので道の駅や食事処の情報が本やカーナビ頼りになってしまい欲しい情報を十分手に入れることができないまま観光をすることになってしまいました。
特に宿泊場所は事前に決めていなかったので、車中泊していいのかどうか分からないことが多かったので日が落ちてから寝る所を探して何十キロも移動することになってしまいかなりストレスとなりました。
せっかく設備の整ったキャンピングカーを使っているのに電気が使えないとただの大きな車に成り下がってしまいます。
しかし、バッテリーの残量を気にしながら生活するのも楽しくないので、初めのうちは電源のあるキャンプ場に行って試してみた方がよかったのかもしれません。
・冷蔵庫がいまいち
キャンピングカーに設置されている冷蔵庫はとても小さいです。
ビジネスホテルにあるような2リットルのペットボトルが縦に4本入るかどうかくらいの大きさしかありません。
電気もかなり消費すると聞いていたのでほとんど使いませんでした。
夏に冷蔵庫が使えない環境は意外に大変です。
開封前の水はともかく食料の保存がききません。
クーラーボックスを持参すればよかったと後悔しました。
保存がきかないのでその都度現地調達です。コンビニにお世話になりましたが、栄養バランスが悪く子供のことを考えるとある程度食材の準備が必要だったと反省しています。
食費も結構かさんでしまい、せっかくキャンピングカーで宿泊費を浮かせたのにそのほかの出費が大きくなってしまったのは残念です。
冷蔵庫自体もだいぶ古く掃除されているとはいえあまりきれいには見えませんでした。
妻は特に気にしていて、「食べるものをあそこに入れたくない」としきりにぼやいていました。
・寝る所が狭い
大きなキャンピングカーとはいえ所詮は車です。
家に比べれば狭い。
もちろん寝るスペースも限られます。
一番広くて快適だと思っていた、運転席上のスペース(リーゼント部分)に妻と息子が寝ていたのですが、どうしても泣いて寝付きません。
聞くと天井が低くて怖いみたい。
まさかの息子閉所恐怖症疑惑です。
後部側の2段ベッドに移動すると落ち着きましたが、普段と寝る環境が変わると子供はなかなか興奮して寝てくれません。
暑さも相まって余計に辛い思いをさせてしまったと思います。
頭上スペースを大きくとれる車内の中央はチャイルドシートを置いているので外す手間があります。
面倒くさいですがどうしても寝てくれない時はそこで寝てもらいました。
運転に疲れてしまうと、寝る準備さえ惜しんでしまいます。
今回宿泊地を探すのにギリギリまで走り続けたため自分の余裕がなくなってしまい、妻や子供たちに迷惑をかけてしまいました。
転々とするなら事前に泊まれるところをピックアップしておいて早め早めの行動をとっていれば体力的にも精神的にも余裕が持てたのでしょう。
教訓として次の機会に活かしてきたいですね。
良かったこと
・トラックなんで
ベース車両がトラックなので目線が高く、視界は広いです。
サイドミラーは大きく、バックモニターも付いているので慣れれば運転しやすいかもしれません。
アクセルがオルガンペダルなので軽い力で踏み込め足の負担を軽減してくれます。
長距離移動時ほど効果を発揮すると感じます。
実際一日600キロほど走りましたが疲労感は乗用車より少ないと思います。
・優越感
一般道路、高速道路、サービスエリア、コンビニ、ガソリンスタンドなどありとあらゆる所で視線を浴びます。
人目が気になる人は辛いかもしれませんが、私はかなり優越感がありました。
駐車場に止めていて興味津々で見ている人たちを尻目に何食わぬ顔でさも当たり前のようにと乗り込むのは特別感があります。
ある意味ポルシェやベンツなどの高級車に乗っているお金持ちより目立ちます。
キャンピングカーもかなりの高級車ですが、目立ち度は一般車両の比ではありません。
・時間に制約がない
ホテルに泊まらないのでチェックインもチェックアウトの時間も気にする必要ありません。
子供がいると準備に思った以上に時間がかかってしまい、到着や出発時間に遅れそうになることがよくあります。
そうなると、子供をせかしたりパートナーをせかしたり、自分がせかされたりしていい気分ではありません。
イライラも積もります。
その点キャンピングカーは駐車場さえ押さえていればいつでも寝られます。
昼まで寝ていても何も言われません。
急な予定変更にも柔軟に対応できます、行き先も寝る所も食べるものも全部自分たちで決めることができるからです。
この自由さは一度味わうとホテル宿泊できなくなるかもしれません。
観光場所がホテルの周辺に限定されているなら問題ないと思いますが、旅行するとそんな所はまずありません。
駐車場の確保ができそうであれば、キャンピングカーでの旅行は有力な候補の一つになるでしょう。
・子供に強烈な印象を残す
キャンピングカーで旅行した後の話ですが、子供たちは度々キャンピングカーに乗ったことを話します。
旅行先の思い出というよりもキャンピングカーに乗ったこと自体が楽しかったようで、「またキャンピングカー乗ろうね」と言われます。
道すがらワンボックスカーやキャンピングカーを見かけるたびに「キャンピングカー!キャンピングカー!」と連呼します。
父親としてはキャンピングカー病を子供にも感染させることができたので満足しています。
いろいろトラブルはあったものの子供達にはいい印象を残せたことは父親冥利に尽きるといえます。
まとめ
デメリットばかり多く出てきた印象です。
しかし、改善できることが多いことから、このマイナス点を教訓として次のキャンピングカー観光をより良いものにしていけると思います。
私も含め知り合いにもキャンピングカーに興味がある人は意外に多いです。
普段使いに耐えられないことや購入金額が高いこと広い駐車スペースが必要など所有するにはかなりハードルが高いです。
レンタルできることを知らない人たちが多かったこともあり、私の実体験を参考にキャンピングカーライフのイメージを膨らませてもらえれば幸いです。
置き場所がない、雰囲気だけでも体験したい、購入しようと検討しているけどイメージが湧かないそんな人たちはキャンピングカーレンタルでオーナー気分を味わってみてはいかかでしょうか?
家族の絆が強まること間違いありません。購入したいお父さんの野望がぐっと近づくことでしょう。
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