飽和潜水員になるために大切なこと3つ

潜水スーツ 雑記
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海上自衛隊には飽和潜水という仕事があります。長期間深い海に潜る仕事です。日本で飽和潜水員になるためには海上自衛隊かアジア海洋株式会社に入る必要があります。海上自衛隊に入隊し潜水員を目指すなら断然飽和潜水員がおすすめです。一番の理由は給与面でとてもメリットが大きいことです。最低年に一回飽和潜水を実施しているので稼ぐチャンスがある。海洋国家である日本では海難事故の件数が多く活躍の機会が多い。超高圧環境というレアな体験ができるなどです。ダイバーというだけでも十分付加価値が付きますが、海上自衛官になったのなら海上自衛隊でしかできない経験をしてお国のために貢献して更に一般隊員と比べて高めのお給料を頂ける飽和潜水員は魅力にあふれた職種の一つではないかと思います。

選んではいけないメインマーク(主特技)

飽和潜水員になるために大切なことの一つ目はメインマーク(主特技)の選択です。海上自衛隊に入隊したら幹部候補生は幹部候補生学校(広島)それ以外の平隊員は教育隊(神奈川、京都、広島、長崎)に集められ基礎教育を受けます。私は平隊員出身なので教育隊での話をします。基礎教育中に適性検査が行われ自分に合った特技を選ぶことになります。何も知らない新兵に今後自衛隊生活で一生ついて回る主特技に関する説明はほとんどされることはありません。なんとなく名前の雰囲気で選びました。選んだというよりそれしかない場合もあるそうです。私も適正ありと出ていたのが運用と魚雷で実はどちらも適性がなくても誰でもできる特技だということを知ったのはだいぶ後の話です。最初のマーク選択に潜水はありません。なぜなら潜水は主ではなく副だからです。主特技を取得したうえで希望者のみが取得できるマークとなります。ここで注意したのが潜水員になれない主特技が存在するということです。結論としては通信水測の2つです。どちらも耳を商売道具として使う仕事になります。潜水は気圧の変化との戦いです。海中に潜るので耳の中に水が入ることもあり耳鼻科系の疾患に罹るリスクがあります、耳抜きができないと最悪の場合鼓膜を破る可能性があります。それ以外にも減圧症や事故などで潜水を続けられなくなることが考えられます。そうなったときに副特技でも主特技でも仕事ができなくなってしまわないための対応として潜水員になれないマークが決められています。もしあなたに潜水員として働きたいという希望があるのならメインマークの選択肢から通信と水測を外しておくほうが賢明でしょう。

飽和潜水を実施している部隊

海上自衛隊の部隊は大きく5つの地方に分けられています。北から大湊地方総監部(青森)、横須賀地方総監部(神奈川)、舞鶴地方総監部(京都)、呉地方総監部(広島)、佐世保地方総監部(長崎)となっています。平隊員は転勤があっても基本的にこれら5つのどれかの地方総監部内しか移動しません。逆に言うと自分の最初に配属された地方総監部に飽和潜水を実施する部隊がなければ所属することがかなり難しくなります。私は運がいいことに飽和潜水部隊が2か所もある横須賀配属だったので希望を通すことができました。もし横須賀や呉配属でなかったとしても諦めてはいけません。平隊員でも地方総監部を変更することはできます、上司に潜水員になりたい希望と総監部変更の希望両方を打診し続けることです。自衛隊も人員管理を行っています。仮にあなたが舞鶴所属で神奈川への移動を希望していたとしましょう。あなたが抜けると舞鶴が人で不足になり逆に神奈川では人手が余ることになります。なのであなたが神奈川に行くかわりに舞鶴へ人を送らなければいけません。上司は人事異動の季節には頭を悩ましています。希望を伝えるのは簡単ですが実際に人を動かすのは大変であることを理解することが大切です。自分の希望を叶えるために自分で出来ることが一つだけあります。それは自分で交代者を探すこと。理想は同じマークで年齢や階級が近い人間、つまり術科学校の同期を見つけることです。上司に「神奈川にいる○○3曹っていうのが舞鶴に希望出しているみたいです」とこちら側で人事のお膳立てをしてあげれば上司の手間が省け自分の希望が叶う可能性がぐっと高まります。ないことを祈りますがくれぐれも先輩の権力を振りかざし後輩を利用することはやめましょう。それでもなかなか人事は動いてくれないことがあります。あせらず腐らず希望を伝え続けることが大切です。

閉所恐怖症の有無

飽和潜水は潜水の性質上どうしても狭い空間で生活する必要が生じてきます。使用する潜水器具も頭をすっぽりと覆うヘルメットと寒さから身を守るため厚いスーツ全身にまといます。深海に移動する際は顔を突き合わせるくらい狭い水中エレベーターに乗りますし、生活するタンク内も4畳半程度のスペースしかなく、窓の数も少なく小さい。その中で成人男性6名が生活するというとても圧迫感のある環境を長期間強いられます。潜水する深度も深いので光が届くこともなく真っ暗闇の海底で作業することになります。閉所恐怖症でなかったとしても恐怖を感じる環境だと思います。一番の恐怖は飽和潜水を一度始めてしまうと生命に関わる緊急事態が生じない限り途中離脱ができない事でしょう。普段の生活や職場であれば自らの意志でその場を離れたり、そもそもそういう所に近づかなければ問題ありません。しかし高圧環境下にいる人間を急激に大気圧環境に戻してしまうと減圧症が引き起こされ身体に重篤な障害を生じる恐れがあります。逃げ場がなく最後までやり切るしかない状況を考えると閉所恐怖症の疑いがある人は飽和潜水員を目指すことに慎重になった方がいいかもしれません。以下に閉所恐怖症の傾向がみられる人の特徴を紹介しておきます。

  •  閉所、暗所など閉塞感を感じる場所に強い恐怖感を感じる

”狭い空間”のみならず、たとえ広い空間であっても”自由の利かない閉塞感”のあるところも含まれます。例えばうす暗い映画館、窓のない部屋、フルフェイスのヘルメット、全身スーツや水の覆われるダイビングなどがそうです。

  • 過去に狭い場所に閉じ込められた経験がある

閉所恐怖症発症原因の一つだと思われているものに過去のトラウマがあります。幼少期いたずらをした罰として物置小屋に閉じ込められたり、押し入れにかくれんぼをしていて友達に出られないよう意地悪されたり、大人になってからも災害や事故などで建物やトンネル、洞窟などに閉じ込められた経験などがこれにあたります。

  • 几帳面で心配性な性格

閉所恐怖症の人の多くで共通していることは”几帳面で心配性”であることです。そのような性格だからこそ不安を抱えることが多いからです。

もし今地震が起きてエレベーターが止まったらどうしよう・・

何年か前にトンネルで自己があったけど、このトンネル通って大丈夫かしら?崩れたら閉じ込められてしまうんじゃ・・

強度の不安は閉所恐怖症を発症する引き金となる可能性があります。逆に言うと「大抵のことはなんとかなる」「そんなに頻繁に悪いことは起きないだろう」と楽観的に物事を考えるようなタイプは閉所恐怖症になる可能性は低いと考えられます。

まとめ

飽和潜水員になるために大切なことを紹介しました。教育隊に所属している上司も海上自衛隊に存在するすべてのマークを把握しているわけではありません。もちろん飽和潜水もレアマークの一つなのでどうすれば取得できるか?メインマークで選んでいけないものがあるかどうか?なんて知らないことが多いのです。不親切な上司にあたってしまうとろくに調べることもせず「メインも決まってないのにサブマークの話をするなんて早すぎる」なんていう声を浴びせられる恐れがあります。しかし飽和潜水員なれない主特技が存在することだけでも知っておけば自分の選択により飽和潜水員への道を繋げていくことができます。今現在メインマークの仕事がつまらない人、海上自衛官やってるけど給料に不満がある人、せっかく自衛隊に入ったんだからここでしかできないことを経験してみたいと思ってる人は飽和潜水員を目指してみる価値は十分にあると思います。30代40代から希望して飽和潜水員になった先輩方もいます。メインマークは皆バラバラなので飽和潜水のことだけでなく様々な話を聴くこともできますし、技術を先輩方から取得することもできます。マーク多国籍な人たちが集まる飽和潜水は自分の視野を広めたりスキルの幅を広めるチャンスでもあります。魅力一杯の飽和潜水員にあなたもなってみませんか?

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