検薬インシデント起こした!透析辞めたくなった准看護師

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検薬仕事

透析強制終了に引き続き、今回もやらかしました。『検薬ミスによる薬の渡し間違い』です。

午後透析なので薬の飲み始めが翌朝からだったこと、患者の家がクリニックの近所にあり事務員が患者の家を知っていて、その日のうちに正しい薬と交換してもらえたことなどの幸運が重なり、誤薬には至りませんでした。

午後の人がある程度帰って、夜間の分を検薬終盤に当該患者の薬袋を見つけたときは、正直ゾッとして急激に冷や汗が吹き出ました。

あれ!?ちょっと待てよ!さっき検薬した記憶があるから、同じものを作り間違いしたんじゃないか?と相方のナースに確認、そのナースが事務に確認したところ、実はつい最近定期薬の変更があり、来週渡す予定の薬を誤って渡してしまった可能性が高いとのこと。

その話を聞いて思い当たる節がありました。

本日患者に渡す薬がまとめて入っているカゴを棚から出した際、カゴの隣に例の患者の処方箋と薬袋、それに未検薬の札が乗っていたのを見つけ、多分薬の変更か何かがあって作り直してもらったんだろう(一包化だし)と思い込み、カゴの中に一緒に入れてしまいました。

事故の『要因』としては、、、

1:慣れない夜勤に対する緊張感
2:夜勤初の患者受け持ちを出勤したその日に伝えられ情報収集に焦る
3:しかも採血結果の医師所見もあり準備に更に焦る
4:薬を作ったのが相方のナースだったので、検薬を自分一人でやらなければならない負担と迫る午後透析終了時間
5:見るべき処方箋の薬リストが一番上でなく、一枚めくる必要があるという今までなかった事象
6:検薬しながらフロアの対応もしないといかんこと

1~5は経験と慣れが解決してくれることかもしれませんが、6はどうなんでしょう?実習でも検薬中のナースには絶対声を掛けるな!!と教わりましたし、前職の診療所でも検薬中はピッチも他の人に渡し、個室にこもって黙々とやっていたイメージです。

一般病棟と透析クリニックでは環境が違いますが、今の職場でやってる結構気が散る状態での検薬に、どれ程の意味があるのかは疑問が残ります。もちろん、薬袋に詰めたときにも確認しているので、必ず二人以上の目を通すことになっていますが、配薬前の最後の砦的なチェックとしては心許ない気がするのは私だけでしょうか?

業務を効率的に進めるには、一つのことに集中せず、同時に色々なことを一人の人間でこなすことを要求されます。

看護師なんてマルチタスクが当たり前なんで、慣れた先輩方は当然のこととして受け止めていますが、医療事故の最大の原因は看護師特有の多岐にわたる大量の雑多な業務がもたらす、判断力の低下だと思います。

看護師は注射したり薬を飲ませるだけが仕事ではなく、患者一人一人に合わせ最適な日常生活が送れるような援助をする必要があり、一昔に比べ仕事量は格段に増えているようです。

仕事は増加の一途を辿りつつ、安定した職として人気は高いにも関わらず、離職率はとても高いおかげでどこの施設でも人手不足が常態化。悲しいことに皆定時に帰るため必死に人手不足を補う分、一人頭の業務量は増加しても、頑張って仕事するので表面上は業務は回ります。

もちろんその分、時間的な余裕もなくなるのでミスも増えます。

業務が回れば経営サイドとすれば有り難いことです、人件費は圧縮出来るに越したことはないので、現場から文句が出ようが患者に不具合が起きなければとりあえずOK、急いで人を補充する必要がなくなるので、現場が根を上げ事故に発展しそうになるまで様子を見ることでしょう。

だってもし自分がクリニックの経営者なら利益を最大にしたいと思うはずなので、絶対最小限の人数しか雇いたくない、一人辞めても業務が滞ることがなければ様子見るのは当然。

逆に労働者としては一人の退職したからといって、その人の給料が現雇用者達に分配されるわけではないので、仕事が回って来る分、量に対する単価は下がります。労働時間は決まっているので、その中身の濃淡は人員数に大きく左右されるということです。人が充実していて、勤務中どんなに暇だろうと、支払われる賃金が減らされることはないからね。

私にとって透析クリニックの人員の厚さは、非常に心強いことであります。前職のように土日祝日態勢という少人数で月曜まで乗り切る、繋ぎのやっつけ仕事がないのは有りがたい。金曜に万全な状態で送ったのに、土日は処置も何もせず月曜に出勤すると新人に皺寄せが来るなんて余りにも酷すぎる環境は2度とごめんです。

話がずれましたが、薬関係などの医療事故を減らすには、ダブルチェックの方法や検薬する環境を改善するとかの小手先のやり方ではなく、シンプルに『仕事を減らす』か『人を増やす』しかないんじゃないかなということ。

医療業界の人手不足は悪化の一途です、長い労働時間も不規則なシフトも過酷な人間関係も給与にはあまり反映されないのでは当然のこと。女性比率が高い職であり、女性の社会進出を応援したいのなら、看護師こそ働き方改革を進めるべきなんじゃない?って子育て中の中年准看護師は感じますけどね。

准看護師が働き方を見直すなら看護のお仕事 がおすすめです、きっと自分の働き方にピッタリの職場が見つかります。