海上自衛隊にある部隊の中で飽和潜水を実施する部隊があります。
飽和潜水に携わっていると数少ない飽和潜水の部隊へ派遣される機会も多いため、それぞれの部隊の様子や練度を知ることが出来ます。
「あーこっちは若年教育が熱心だなとか」
「あっちはベテランが多くて安心感があるけど装備が古くて新しいモノの導入が遅れてるな」
などなど部隊が3か所しかないですがそれぞれ特色があり学ぶべきこともいっぱいあります。
今回は飽和潜水を各部隊経験体験してきて、どうすればもっと飽和潜水の活躍の場を増やせるのか考えていきます。
飽和潜水士の輸送方法
海上自衛隊で飽和潜水をするとなると、マザーシップに搭載されている高圧タンク内に入って加圧されながら現地に移動するのがセオリーとなっています。
しかし2000年代に発生したロシアの潜水艇の沈没事故の際、緊急出動が速かった自衛隊よりも遅れて派遣されたイギリスの無人潜水艇が人命を救助したという話があります。
日本が誇る自衛隊が英国に負けているわけではありませんが、深海の救助において運用法が日本がヘタクソなだけではないかと思われます。
一分一秒を争う救難の場面において船で現地に向かうこと自体がナンセンスなのではないでしょうか?
まずはスピード重視です。
潜水艦の空気や食料がいつ尽きる分からない状況を考えると迅速な対応が求められることは必然といえます。
そのためにも飽和潜水員を遠隔地へ派遣するときはタンクを分離して空輸することが最も合理的と思われます。
タンクと加圧するためのボンベなどの重量的な問題があるかもしれませんが、海路でのんびり目的地に移動している余裕はありません。
大型の輸送機を用意して救難に備えることが出来れば緊急事態において海上自衛隊の即応力がより発揮されるのではないかと思われます。
飽和潜水士の所在や所属
飽和潜水士の輸送方法について空輸がいいと言ったことに付随しますが、飽和潜水士が艦艇に所属している意味はほとんどないかと思います。
飽和潜水士の主な仕事として潜水艦救難や航空機救難があるのであれば、救難艦やサルベージ艦が現地に到着する頃合いを見計らって空輸された方が加圧時間も短くなるし必然的に総潜水時間が短くなるので潜水員の肉体的、精神的負担も少なくて済みます。
もちろん大深度になれば保圧時間が必要となるので、レスキューする深度に応じて加圧を始める時間を調整する必要はあると思います。
飽和潜水士が艦艇に所属して救難の際に船とともに移動するのはあまりにも非効率的ではないかと思っています。
実海面での訓練を行う必要性はあると思いますが、それは艦艇が出港する際に乗り組んで行えば十分ではないでしょうか?
所属を艦艇にしてしまうと船の行動に縛られてしまい、有事の際に潜水士のコンディションが万全でないことが起きかねません。
それでは日本が誇る救難体制を維持できないのではないかと考えます。
飽和潜水員は常に有事に際して待機しているため艦艇ではなく陸上で準備していることが必要ではないかと思います。
広報力の欠如による人材不足
海上自衛隊の広報力はあまりにも貧弱です。
なにに気を使っているか分かりませんが、アピールがヘタクソ。
というよりアピールしなさ過ぎ感満載です。
海上保安庁を少しは見習いましょう。
これだけ人で不足で新入隊員の年齢制限を引き上げたり、女性自衛官の配置幅を広げたりしていますが、そもそも入って来る人を多くすれば解決しませんか?
安定した職を求める人が増えた現在、ちょっときつくても公務員待遇なら続ける人は多いはずです。
それでも人が足りないということは明らかに広報不足と思います。
もっと民間に対してオープンになって内情を明らかにした方がいいのではないでしょうか?
現在の状況は分かりませんが、私が勤務していた数年前は、モラハラ、パワハラ、忖度当たり前、人に責任擦り付け他人を蹴落とすなんて日常茶飯事のブラック企業です。
ブログでもYouTubeでもあまりそのあたり詳しく語られていません。
日の目を見るのは婚活パーティーで自衛官がモテるということくらいでしょうか。
実際のところ自衛隊はかなりブラックです。
企業体自体はホワイトですが、雇われている人たちがかなりの低学歴、素行不良者、変り者の集まりです。
そんな人たちが中途半端に経験を積んでしまうと一応仕事ができる人として扱われるため、普通の感覚を持った人たちが入隊してくると非常に苦労する訳です。
もっと自衛隊の実情を赤裸々に公開しつつ、それを笑いに変えられるフィルターが必要なのかなと思います。
ぜひ防衛庁はメディアを利用して世相や世論を気にせず芸人やYouTuberを本気で入隊させて広報させるべきではないでしょうか?
女性艦長や女性潜水艦乗りを紹介するよりよっぽど効果があると思いますよ。
自衛官の副業の幅を広げる
自衛官の副業は認められていますが、不動産投資や株式投資などに限られます。
公務員に準じているので収入が少ないからといってアルバイトをすることは法律で禁止されています。
私は自衛官でいる間特に副業しようと思うことはありませんでした。
理由は収入源は一人一つだと思っていたからです。
実際公務員であっても投資を通じて収入源を複数持つことも可能です。
お金のことについて勉強することで働き方もいろいろあることを学びました。
飽和潜水士である自衛官であってももっと副業の幅を広げることは必要じゃないかと思います。
公務員だから給料高いか?
と言われれば答えはNOです!!!
私が勤務していた海上自衛隊に限って言えば、陸上勤務は高額な手当てはほとんどないので基本給のみが毎月の収入になります。
結婚していれば扶養手当や家賃手当などが出ますが、とてもゆとりある生活ができる俸給ではありません。
ちなみに自衛官の給料は法律で決められているので赤の他人でもググればすぐ分かってしまうくらいオープンです。
そんな薄給にも関わらず副業に制限が掛かっている自衛官ってかなり裕福とは遠い存在だと思います。
国も年金が破綻してるから自分で何とかしろと言っているのだから、公務員である自衛官も副業を解禁すべきではないでしょうか?
共済年金で守られているから大丈夫?
自衛官の定年は何歳ですか?
YouTubeやブログでもっと発信すべきではないでしょうか?
ある意味副業を禁止されリアルタイムな内部情報を発信できない組織に所属していた人の持っている情報こそ希少価値があり、それをコンテンツにできれば参入障壁が高いモノができると言えます。
つまりワイドモートということです。
飽和潜水は民間企業でも使われている技術であることを考えると、もっと個人でも情報を発信できる環境を整えることが人材確保しいては自衛隊の存続を支えることに繋がるのではないかと考えています。
関連記事です。
飽和潜水士になるために自衛隊入隊から注意しておくことをがあります。
一口に潜水士といっても様々な教育を経る必要があるという記事です。