飽和潜水員の年収が高い理由は飽和潜水だけじゃない!その他の環境的メリットにフォーカスする

年収 飽和潜水

日本では海上自衛隊員とアジア海洋の職員にしかなれない飽和潜水員ですが、深海に潜る危険な仕事であるため飽和潜水の手当てはかなり高額となっています。飽和深度に比例して高くなるので、深くなればなるほど長くなればなるほど賃金は跳ね上がります。

飽和深度440mで1ヶ月間潜ると約300万円の稼ぎになります。臓器売買したりベーリング海へ行くより、よっぽど安全で確実な方法だと思います。

ただ飽和潜水員になるには、潜水に関する専門的な知識と、高圧環境下であっても長時間活動できる強靭な精神と肉体が必要となります。更に苦労して飽和潜水員になれたからといって、すぐに飽和潜水に参加できるわけではありません。

経験の乏しい駆け出しの頃は、装置の運用やダイバーのサポートに回って飽和潜水の全体像を把握することが大切だと言われています。理由は潜る以上に時間と経験を要するから。

ダイバーは精神的肉体的にしんどいけど、経験が少なくても何とかなる(先輩と二人で潜るから)、一番の肝はダイバーの命を支えている装置の維持管理であり、ダイバーは手当てもつくし表舞台で目立つし花形ですが、実は縁の下の力持ち(外回り)のほうが重要度は高く、海上自衛隊の飽和潜水部隊ではダイバーは比較的若手、サポートはベテランで固めるのがセオリーとなっています。

もしやっとある程度、外回りの経験を積んでダイバーとして選ばれる資格を得たとしても、飽和潜水といわれる訓練は年1回のビッグイベント!しかも選ばれるダイバーはたったの6人!(+予備1人)

各部隊で在籍している飽和潜水員は10数名から20名弱、順当に回したとしても3年以上待つ可能性があります。どの様な選考を経て選ばれるかは不明ですが、私が在籍中は明らかな偏りがあったりしたので、何かしらの忖択があったように思えてなりません。

飽和潜水員へのハードルもなかなか高く、もしなれたとしてもなかなか参加できない飽和潜水ですが、実は飽和潜水員は飽和潜水していなくても結構稼いでいたりします。

まず海上自衛隊にある3つの飽和潜水部隊のうち2つが艦艇部隊です。つまり船に乗って様々な訓練や活動をしつつ年1回の飽和潜水を実施しているわけです。艦艇に乗り組んでいる乗員は全員基本給に約33%が上乗せされます。仮に30万円基本給をもらっている人は船に乗っていると+10万円手当てが付くということです。これは船が出港していなくても、修理のためドック入りしていてもちゃんと付きます。

飽和潜水部隊は海自の中でもちょっと特殊で、自国他国関わらず潜水艦救難(潜っている最中に浮上できなくなった場合に助けにいくこと)が主な任務。なので実働を除いて出港するのは、基本的に練度維持のための訓練か新造潜水艦の試運転の見守り、魚雷発射訓練後の揚収がメインとなります。

以外に忙しく年間の出港日数は200日を超えることはざらで、母港に係留している期間のほうが短いのは救難艦の宿命と言われていました。当時は独身で特にプライベートでやりたいこともなく、むしろ仕事くらいしか楽しいことはなかったので過酷な訓練にも耐えられましたが、所帯を持つようになってから思うのは、その時の家族持ちの先輩方がいかに家族を犠牲にしてまで真摯に任務と向き合っていたかということです。頭が下がります、もし自衛隊続けていたとしても今の私じゃ無理。家族と1秒でも長く過ごしたいって思ってますからね。

ちょっと話がずれましたが、船で出港した日数や沿岸からの距離に応じて航海手当てが付きます。乗り組み手当てとは別です。残念ながら私が在籍中は遠洋に出る機会に恵まれませんでしたが、それでも年間の殆どを出港していたので、月に+1、2万円の手当てが付いていたのを記憶しています。

年収にして+10~20万円得るのに、陸地に100日くらいしかいられない生活がどうなのか?というのは個人個人の価値観です。私は独身の頃は時間より金でしたので、全然ありだと思っていましたが今では遠慮したいですね、年齢や家庭の変化によって考えは変わります。そうはいっても船乗り飽和潜水員が稼げることに間違いはありません。

極めつけは、再圧タンクによるシミュレーション潜水訓練がいつでもできること。正直これが飽和潜水員の年収を上げる一番の合法的なチートだといって間違いはありません。

ダイバーは潜水技術の維持向上のため、定期的に潜水訓練をしています。潜水といえばボンベを担いで潜るスクーバ潜水が一般的です。しかし飽和潜水の艦艇(潜水艦救難艦)では、船から空気を送ってもらいながら潜る方法(他給気式潜水)や飽和潜水・再圧(減圧症)治療に使われるタンク内を加圧することで擬似的に潜る方法(シミュレーションダイブ)があります。

スクーバ潜水や他給気式潜水は、訓練に行ける範囲の海面深度が浅ければ大して手当てにならなかったり、ボンベでは容量に限りがあるので長時間潜っていられなかったり、自衛隊では無減圧の範囲で潜るのが基本だったり、そもそも停泊していないと訓練が出来なかったり(訓練も大事だけど入港してたら休みたいじゃないですか)と制約というか当たり前な訓練条件が存在します。

そんな制約をぶっ壊してしまうのが『再圧タンク操作訓練』という名の潜水手当製造チートです。再圧タンクを加圧して機器を操作する訓練なので、航海中・停泊中問わずいつでも何処でも出来る。

呼吸したり加圧したりする空気は、母船に積まれているバカでかいタンクから送られる上に、使って空気が減ったらコンプレッサーが起動して、自動的に充填してくれるという優れた機能もあります。

また上記制約の1つ無減圧の範囲で潜る根拠は、実海面で正確に深度を保持しながら長時間海中に留まることが危険であり難しいことに由来します。

しかし、艦艇タンク内であれば、空気の供給の心配もなく、海中にいるわけではないので深度の保持も容易、潮流や海水温、海中生物などの気象海象に左右されないことから、減圧ありきの潜水が可能。なので安全に1日に潜れる最大深度かつ最大時間で訓練することが出来ます。

これを暇を見つけてやっていくと、毎月多いときは5~6万円、平均すると4万円以上の潜水手当てになります。年収にすると50万位上乗せです、勿論装置の勉強や整備、停泊中に他の乗員が休んでいるときに訓練することと、引き換えに得られる対価でもあるので、楽な仕事ではありませんが、稼ぎたい人にはもってこいかも。

他には飽和潜水員にしか取得できない、救難室員などもあり、どうせ船に乗ってしんどいことするなら、手当てが付いた方がいいと思う人は、教育課程のある学校にいってドンドンスキルアップして年収アップを目指すことも可能です。

ベースに乗り組み手当、航海手当、潜水手当が付くだけで年収は陸上勤務と比べ200万円以上差がつきます。更に年1回の飽和潜水に入れれば100~200万円の臨時ボーナスゲットだぜ!といった具合に飽和潜水員の稼ぎはいいのです。

自衛官はそれほど学力を必要とせずなれる職業ですが、適正や運が良けれ飽和潜水員になれて、一般隊員より少しだけリッチな思いが出来ることは間違いはありません。

同じ自衛官なのに、何故か飽和潜水員だけ稼げる環境が整っている。どうせ船に乗って訓練して大変な思いしてるなら、飽和潜水員になって手当て貰わにゃ損かもよ。

飽和潜水
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シズカ@誰得?中年准看護士の日常
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